日付、時間:Sat May 20 19:19:18 Japan 2000
氏名: かあちゃん
所在都道府県:大阪
職 業:主婦
年 齢:38歳
性別: female
質問:
現在右下と左上にかなり奥深く歯茎内に眠っている親しらずを2本持っています。
いつの頃からか肩こり、歯がういた感じ、隣の歯が押される感じ、疲れると右の耳下から顎にか
けて痛むようになりました。けれど我慢できない程ではありません。近所に虫歯治療をして下さる
お医者さんに相談したところ術後腫れたり痛みはあるけれど、右下の埋まった親知らずは抜いた
方がよいのでは・・・・その理由として横に埋まっているので他の歯を押すのでということでした。
けれど少し大掛かりになるのでうちで抜歯できないので、大きな病院を紹介して下さいました。
私の希望もあり大阪歯科大を紹介もらいました。
歯科大の先生は(2本とも大変ですね!1本抜く時間は1時間から1時間半で抜けたらいい方で
すね。術後もかなり腫れますし、痛みもあります。今言われてる症状は親知らずが原因してる
かはっきりとはわかりません。扁桃腺が腫れてリンパ腺が痛でるかもしれませんし、もし、親
知らずを抜いた後、それらの症状が軽くなっているならば親知らずが影響していたと考えられるで
しょう。しかし、普通の親知らずと違うのでよく考えてから決められては?
手術の方法は「歯茎を切開して歯を2回ぐらい切って分割して邪魔してる骨があれば少し削ります
。」と丁寧に教えてくれました。その先生は深いので(神経の近く)術後の痛みと腫れを繰り返し繰
り返しおしゃられたので、痛みに弱い私はよく考えます。と抜歯を躊躇しました。
私は今悩んでいます。抜くなら38歳なので1つでも若いうちにとも思いますし、そんなに痛いなら
上手につきあっていく方がいいのか?どうか・・・・それと聞き忘れたんですが、何故そういう抜歯の
時は分割してとりだすのか教えて下さい。私のように歯が全然表に出ていないケースの患者さんが
抜いて良かったかどうかも知りたいです。よろしくお願いします。
メールアドレス: hashi-k@gw3.gateway.ne.jp
ホームページURL: http://
完全に(見た目ではなく)埋伏して何ら症状もない親知らずは抜歯の対象になりません。
生涯何の悪影響も起こさない可能性のある歯を、あえて“深いので(神経の近く)術後の痛みと
腫れ”などの危険を冒す必要がないと考えられます。ところが、僅かでも炎症症状の認められる
親知らずは、見た目が完全埋伏であっても実質的には一部露出した状態であって放置しておく
と今後ますます炎症症状が激しくなって生体に色々と悪影響を及ぼすことが懸念されます。その
ような状況の下では、上記の危険を冒しても抜歯することが生体にとって有効と判断します。
「抜歯後の一時的な疼痛は、放置した場合生涯味わう疼痛よりはるかに少ない」とか、「神経に
近いがために起こり得る術後の知覚麻痺(頻度はきわめて低い)も、術後知覚麻痺を起こす程に
近接していたとするならば、抜歯後の知覚麻痺は一時的(数か月以上)に対して、それだけ近接
しているのであれば放置しておくと神経が腐ってしまって回復不能な知覚麻痺を起こすことが
懸念されます」
“肩こり、歯がういた感じ、隣の歯が押される感じ、疲れると右の耳下から顎にかけて痛むように
なりました”という症状は、おそらく親知らずのせいだと思われますので抜歯すべきだと思います。
“抜いて良かったか”ということに対してはおそらく実感はないと思います。それよりも抜かなかった
がために手前の歯までダメになったとか激しい炎症のために苦しんで「あの時抜いておけば良かった」
と後悔されるケースは多いように認識しています。
抜く方の立場から申し上げますと、術後の痛みのために恨まれることがあっても感謝されることの
少ない抜歯ですので出来ることなら関わりたくないのが本音でしょう。「それ見たことか」という状態
になってから抜いた方が気は楽ですが、そうなってから抜くことの苦痛と苦労とを考えれば今自分が
何を為すべきかで悩まされる症例です。
“何故そういう抜歯の時は分割してとりだすのか”ということですが、簡単に言うと“そうしなければ
抜けないから”ということで、詳しい説明はここではご勘弁願います。
回答:
私も口腔外科出身ですので、抜歯を必要とする親知らずは全て自院で処理しております。
関西でも難しい抜歯を扱っている病院は多数あると思いますが、その優劣については分かりません。
しかし、何かあっても万全の体制がある大学病院の口腔外科が一番無難です。紹介されて行かれ
た大学病院で、そこまで詳しい説明を受けられているようですので今更迷うこともないように思います。
返信:日付、時間:Mon May 22 21:27:01 Japan 2000
お忙しい中のご回答、本当にありがとうございました。これで私もやっと決心がつきましたので、
1本づつ少し期間を空けて抜歯しようと思います。抜こうかどうか迷っている人に少しでも参考に
してもらう為に、抜歯後の状態などをメールさせてもらいます。
河田先生のホームページは、とても勇気付けられました。ありがとうございました。