大学病院ではそれ程珍しい手術では有りません。
外科的矯正

日付、時間:Tue May 23 0:48:31 Japan 2000    氏名: Z-O   
所在都道府県:東京   職 業:その他   年 齢:18歳      性別: female  

保定装置
後戻りを防ぎ、矯正の仕上げに使います
質問:
どうしようか迷ってる最中でしたが、このホームページを見つけ質問いたします。 皆さん専門用語で書いてありますが、私は、分かりませんので普通に書きます。私の娘の件ですが、

  1. 高校の1年生から反対咬合の矯正治療をしていたのですがある時、矯正器具(取り外し式) を紛失し1週間ほど着けないでいて、歯科医院を訪れたところ「1週間の間に又元(反対咬合) に戻ってしまった」と言われました。そんなに簡単に戻ってしまうものですか?
    又、そんなに簡単に戻るなら良い状態にも簡単に戻ると思うものですが?
  2. 矯正治療の最後は、常時装着から取り外し式に変わると言われたのですが、紛失のことや、 外出先での食事時の取り外しのわずらわしさ考えると常時装着のほうがいいと思うのですが?
  3. 結局、反対咬合は治らず口腔外科(大学病院を紹介するとの事です)での外科的手術(下顎の 骨切術だと思います)を薦められています。手術と言うと大変そうなんですが、娘は、将来的なこと を考えやりたいと言っております。顎関節は、頭骨の一部と関節を形成しているので頭痛等の 後遺症は、心配ありませんでしょうか?
    又、反対咬合の外科的手術は、大学の口腔外科では、一般に行われているのでしょうか?
    現在、学生ですので夏休みにやりたいと思うのですが、入院期間とその後の経過観察期間は、 どの位になるのでしょうか?
  4. 最後に、「外科手術は、保険治療が出来る」と言われたのですが、反対咬合の矯正(保存的)は 、保険外で、外科手術は、保険適応なのでしょうか?
    ちなみに、保険が適応されたとしてどのくらいかかるものでしょうか?
だらだらと、質問事項を書きました。お忙しいところ誠に申し訳ありませんが宜しくお願い申し上げ ます。

メールアドレス: locomoko@hotmail.com   ホームページURL: http://

回答  わずか1週間で後戻りというと、原因がそれだけではないような気がします。後述の外科的手法 と合わせて考えると、骨格系の反対咬合で元々矯正的手法では難しい症例だったかも知れません。 骨格の状態にとって安定した場所(反対咬合)を無理した位置に歯を移動させているわけですから、 後戻りが1週間だったからといって最初から始めることを思えばかなりの時間短縮にはなると思いま すが、無理した位置に導くのに1週間という分けには行かないと思います。
 矯正の仕上げとして使用する保定装置には、“永久保定”といって何らかのかたちで歯牙に接着 させる方法もありますが、ムシ歯や歯周疾患のリスクを考えると着脱式の床保定装置が一般的です。

 下顎前突の外科的矯正はそれ程多い頻度では有りませんが、大学病院ではそれ程珍しい手術 では有りません。手術に関するリスクは必ずありますので、担当される先生の説明を良く聞いて 審美性追及に対する欲求とを秤にかけて決定すべきです。
 入院期間は病院の混み具合にもよりますが、術前1週間・術後2週間程度が一つの目安です。 経過観察は1年以上は必要だと思います。とはいっても毎月ではなく最後の方は数か月おきという ことになるでしょうね。
 費用の詳細は分かりませんが、保険適応ということであれば10万〜20万以内でしょう。それと 外科矯正の保険適応につきましては、“兎口口蓋裂”などと同様先天性奇形という扱いで保険の 適応となったみたいです。審美性回復を目的とした歯列矯正は保険の適応外ですが、先天性異常 という疾患に対する処置という解釈だと思いますが、規則に定められたことですので矛盾 を追求しても仕方ないことでしょうね。

ご意見・ご感想:日付、時間:Fri May 26 1:50:57 Japan 2000
先日(5/23)に、娘の反対咬合について質問させていただいた者です。お忙しい中、早速のご返答 ありがとうございました。大変よく分かりました。現在の出来高払いの保険制度を改定して、先生の ように患者の質問に答える事も点数化して欲しいですね!!(出来高払いの、保険制度が改定され る事を望みます)又ご質問させていただきます。

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