一度取ったから安心…ではなくって根気強いスケーリングが必要です。
スケーリングの限界

複根歯におけるSC/RPの効果
(Fleischer & Mellong:J Perio,1989)
scaling効果
1歯につき11〜15分SC/RPを行い
立体顕微鏡により歯石の取り残しを調べた。
   縁下歯石が結構大量に付着している患者さんに、「今までに歯石を取ったことがありますか?」 と訪ねると、「はい、1年前に取りました」という意外な返事が返ってくることがしばしばです。 「こんなに丁寧に(時間をかけて)取ってもらったのは初めてです。(当院の初診時)」 こんな返事も返ってきます。
 同僚の歯科医からは、「いくら歯石を取っても、ちっとも良くならない。やっぱりブラッシング 指導が一番かな。」ともいわれます。

 歯肉の炎症は、細菌数やプラーク(歯垢)にもある程度比例しますが、アレルギー反応の元である 歯石の存在によって大きく左右されます。究極的には、歯石さえなければ炎症は成立しません。 従って、歯石の排除こそが最良の手段ですが、いくら取っても取りきれないのが現状です。

 グラフに示したように、複根歯(おおむね大臼歯)で盲嚢(ポケット)の深さが4mm以上の場合、 一般開業医がスケーリングしても8%しか歯石が除去されていません。しかも1本の歯に 10分以上時間をかけてです。これでは、いくら歯石を除去した積もりでもほとんど残っているわけ ですから一向に改善しないのは当たり前です。 歯周病専門医が手術(FOp)しても55%という数字ですからちょっと評価が厳しすぎるかもしれま せんが、いずれにしても一度取ったから安心…ではなくって根気強いスケーリングが必要です。

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