かつて、糖尿病は歯科治療禁忌と言われた時代もありましたが、従来とは異なり、
糖尿病患者の管理が良くなってきているため治療も容易になりました。
糖尿病の特徴の1つとして、感染し易い体質が挙げられます。
感染すると糖尿病の症状をより一層悪化する傾向も認められます。年と伴に歯周疾患が進行し、
ただでさえ炎症を起こす年齢の人にとって、口腔内の管理はより一層必要となっています。
一般に、糖尿病の患者さんの口腔内は不潔です。同じように歯を磨いていてもわずかに
残った歯垢や歯石で簡単に歯肉の炎症を起こし、出血や排膿しているからです。
普通なら、歯石を取り適切なブラッシングの下、健全な歯肉状態が保てるはずでも炎症が存在します。
そんな意味からも、
糖尿病の患者さんはより一層積極的な歯科治療と管理が必要だと思います。
歯科治療を受ける心がけとしては、インシュリンなどを服用してコントロールされている
患者さんは、必ずコントロールを続けておいて下さい。我々も術後の感染防止を通常以上に
徹底し抗生物質を投与しますが、特別な副作用がでない範囲で必ず服用して下さい。
インシュリンとの併用は問題ありません。歯科治療を行う当日は出来るだけ十分な睡眠と
規則正しい食事を採り体調を整えておいて下さい。
万が一体調が不十分な場合、治療を断るかキャンセルして下さい。
治療終了後も他の患者さん以上に、定期的な検診と除石を心がけるようにしましょう。
治療に適した空腹時血糖値は、150 mg/dl 以下とされています。