かつて、保険診療では前歯の補綴ができませんでしたが、近年の保険改正で修復が可能と
なりました。しかし、材質的には強度が弱く
破損率が20%以上といわれています。
質の向上には最大限努力していますが、不幸にも破損するケースがあります。
比較的若年者で、骨植堅固(被せる歯に動揺がなく、周囲の歯もシッカリしている)場合は、
破損することも少ないようです。しかし、欠損した歯が多い場合や、残っている歯が動揺している
場合には、金属部分の“ねじれ”のせいでプラスティック部分が容易に剥離(破折)してしまいます。
破損の程度、状態により修復方法も異なりますが、一部の負担金を除き責任をもって対処いたします。
安心して使える高品質材料が保険導入されることを願っておりますが、現状を認識し患者さん
ご自身の十分なお手入れと注意をお願いします。極端な話し、
前歯は飾り物で、一切ものを咬んではいけないくらいの気持ちで使って下さい。
それともう1つ、犬歯のうしろ…小臼歯は現在のところ保険の適応となっていません。
保険財政緊急の折、贅沢品に使うお金がない…からでしょう。比較的要望が多く、患者さんの気持ち
は分かりますが現状では保険での治療はあきらめて下さい。
冠を被せたからもう安心と思ってらっしゃる人も多いと思いますが、被せた冠と歯との間には
隙間があります。その隙間や段差からムシ歯にもなりますし、天然歯以上に汚れが貯留し易く
歯肉炎を起こしやすい状況になっています。従って今まで以上の手入れが必要です。