このコーナーでは、日常臨床で心に残った症例を紹介します。臨床こそが、私の恩師です。
60歳まで保つかなぁ
No 1 No 2 No 3 No 4 No 5 No 6 No 7 No 8 No 9 No 10

50歳を過ぎて歯医者に行くたび抜歯
53歳 男性 残った歯も全て動揺
18年後 71歳
 右のケースは、50歳代としては平均的な状態です。
 50歳まではそこそこ歯があったのに、歯医者に行くたびに抜歯され、残った歯も相応の グラツキがあり、60歳まで保つか不安です。そのことは本人が一番自覚しているはずですが、 このまま放置しておけば不安が的中することは必至です。

 レントゲンに見られる以上に動揺の著しい「8を抜歯し、上顎は必要な部位に対して 抜髄の上ブリッジを装着しました。途中|3が不幸にも破折して抜歯になりまし たが18年経過した現在(2001.10)も変わることなく機能しています。 この程度ですと手術する必要はありません。定期的なスケーリングを継続した結果です。

 70歳の状態が決して万全ではないにしても、50歳の頃を振り返れば、歯周疾患を見事に 抑制したことは明らかです。今後80歳になられても、今と大きくは変わらないだろうことが 予測されます。
 「先生と知り合って良かった。もっと早くからしとけば良かった」という言葉が印象的 でした。






次ページへ進む