このコーナーでは、日常臨床で心に残った症例を紹介します。臨床こそが、私の恩師です。
スケーリングに思わぬ効果が!
No 1 No 2 No 3 No 4 No 5 No 6 No 7 No 8 No 9 No 10

24歳で6本抜髄…この先一体?
24歳 女性 歯医者に行くたび抜髄
12後 36歳
 24歳ですからさすがに歯槽骨の破壊は認められません。
当時この程度の人に毎月のスケーリングを勧めることはありませんした。おそらく保健の 審査員が見たら処罰の対象になるでしょう「歯槽膿漏でもないのにメインテナンス?」と。
 たまたま衛生士の友達だったことと、悪くなる口腔内環境を少しでも保ちたいという熱意 からメインテナンスが始まりました。

 考えてみて下さい。10歳頃歯が生えたとして…15歳くらいまでは抜髄することもなかった と思います。それが何時の頃からか、歯医者に行くたびに抜髄を繰り返して、24歳の時点で 6本抜髄→この先10年で何本の抜髄が待ち受けていることやら _(^^;)ゞイヤー

 メインテナンスの結果は、12年間で抜髄ゼロ。年に1回くらいはムシ歯を発見して数本の 初期ムシ歯や二次カリエスを治してきました。その積み重ねが、ちゃんと結果を出していま す。このような傾向は、若い症例で多く見かけます。その多くは、“若いのに歯槽膿漏”と いう人たちです。今現在30歳代の10年・15年経過した症例では、驚くほど無髄歯が少ない ことに気づきました。  そんな人たちが80歳になったら、驚くほどの美しさであることを予感します。もっとも その頃には私は天国に行っていると思いますが…。

 過去のことはともかく、今悪いところは抜髄でも抜歯でもして、治療終了後の状態をその まま20年・30年タイムスリップさせることは十分可能です。二度と痛い治療をしなくて済む ように歯医者の利用方法を考え直してください。
「何も治療しないのが最善の治療」
「治療しなくて済むための治療」