さらば歯周病
さらば歯周病

水口 慎也先生へのメッセージ


 本件につきましては弁護士と相談の結果、お互いに言論の自由として問題にすべき 事項ではないとの見解を頂いております。【河田氏がそれを承知であえてそのような説 を世に問い直すのであれば,誰もが納得する科学的根拠を提示しなければなりません。】 という部分については、将来まとまった形で世に問うことになるでしょう。本ホームペ ージの随所で解説している通り、炎症が何故起こるか。それも歯周病菌と称される口腔内 常在菌で炎症が成立するかという学術的論争に発展するかもしれません。

本文引用(12頁)
 治療の方法や対処の仕方など、歯科医の側にも多くの問題があることは確かです。歯科 医療というものと、それを提供する我々が、いろんな問題点を解消していかねばならないの はもちろんです。しかし、それには時間がかかります。問題のない良質な医療を待っている 間に、患者さんの歯のほうが先に失われてしまうことになるでしょう。
 そこで、わかっていただきたいのは、我々の側に問題があるのと同じように、患者さんの ほうにも、歯の治療に関する認識の仕方に問題があるということです。つまり、治療に対す る考え方や歯医者の使い方を変えるだけで、今の医療レベルで十分に歯の健康が維持できる ということ、それもめざましい成果が期待できるということを知っていただきたいのです。

 医院には全国から毎日のように患者さんがお見えです。歯周病と根管治療が治らないから です。「さらば歯周病」は、そのような患者さんを増やさないようにという意図で執筆して おります。従って臨床実績を元に、具体的なケア方法と留意点を提示することを目的として います。

さらば歯周病


 【1960年代の終り頃までの研究者や臨床家は,河田氏が主張するように「歯石」に注目し ていました。その後歯周病の病因論が進歩するにつれ,唾液中のミネラルがプラックに沈殿 したものが「歯石」であり,プラックの保持組子としては除去する必要があるものの,「歯 石」そのものが歯周病の重要な原因因子ではないことも,これまでの研究結果から明らかに されています】

 というご意見に対しては、本書にも取り上げた右のグラフ(170頁)をもって回答とさせ ていただきます。歯石除去が軽んじられるようになった1970年代から急激に歯周病に悩む国 民が増えたことが一つの実証になると思います。

 医学的な見解として日本形成外科学会認定医である 夏井 睦(なつい まこと)先生 の解説を引用させていただきます。
 要約すると、 常在菌単独で起こすことは可能であるが、組織1gあたり10万個から100万個の細菌が必要と されている。つまり,常在菌単独で化膿させようとすると,とんでもない量の細菌が必要な のだ。しかし、創面に異物や壊死組織を混在した場合はなんと,1gあたり200個の常在菌で 感染が成立するのだ。