聞き慣れない病名ですが、最近テレビでも良く取り上げられている、以外と身近な病気です。
頭痛・耳鳴り・肩こり・腰痛・手足のしびれ等、比較的中高年の方に多く見られる疾患で、
一般的に他科を受診するケースが多く症状が進行すると口が開かない・顎が痛い・雑音がするとかで
初めて歯科を訪れるか、それでも整形外科を受診する場合がほとんどのようですが、本来は歯科の
疾患です。
顎に異常のない比較的軽症なものの多くは、他科に於いて自律神経失調症・メニエル氏病・更年期
障害等様々な病名のもとに、原因不明の老人病として扱われているものです。
原因は、筋肉の異常緊張と顎の関節位置のずれによるもので、歯科医の治療範囲なのですが、
残念ながら研究の進歩が追い付かず、治療方法も確立されていません。
私の医院でも、独自の方法で良好な治療効果を挙げていますが、この治療方法は患者さんの
理解と協力,信頼が無いと決して安易に行なえるものではありません。
大きく分けて、若年性と成人性とがあります。若年性はその名の通り若い人に見られ、若い
くせに肩こり・頭痛持ちと言う人です。中高年の方でもほとんどの歯が残っている人に比較的多く、
歯軋り・開口不能・躁鬱等のほか、不妊症・生理不順等の症状もみられます。
治療方法は、至って簡単で、親知らずを抜くか、奥歯を少し削るだけで改善するケースがほとんど
ですが、これで効果が認められない場合には現在決定的な治療方法がありません。
成人性は、大量の歯が喪失または喪失類似状態の人に見られ、増齢と伴に増加しますので、
老人病とか年を取った証拠として一般に認識されているよです。症状は若年性と同様、頭痛・
肩こり・腰痛・手足の痺れのほか、顎の震え等が挙げられます。
治療方法は、非常に厄介でほとんど全ての歯を修復しなければならず(
咬合の再構成)、治療に当たっては相当の
覚悟が必要です。私の医院では歯槽膿漏治療の一貫として行なうケースが多く、良好な結果が得られ
ている反面治療を異常に複雑なものにしています。