嫌な思いをして、やっと入ったかぶせ(補綴物)です。20年,30年いや一生でも
保って欲しいものですネ。そんな願いに反して、数年も経つとポロリととれて
しまうこともしばしばです。そうかと思うと、20年前に入れたかぶせは何ともない
場合もあります。思わず昔の治療(先生)の方が良かったのではと勘ぐってしまいます。
断っておきますが、技術と材料は不満足ながら確実に向上しています。
昔ならとうてい出来なかったことでも治療が可能になりました。その結果、
可能性を求めて難しい症例も治療することが1つ。患者さんの年齢も上がり、
残存する歯の条件が確実に悪くなていること。
今の治療でも20年後に機能している歯も必ずあるはずです。しかも以前に比べ高確率で…!
前歯の治療は、材質的な問題から破折などの
トラブルが非常に多いのは事実です。しかし、奥歯が壊れることはほとんどありません。
それより補綴物の寿命は、脱離,二次カリエス,根の治療,歯槽膿漏などの要因で左右されます。
歯医者の技術的な問題はさておいて、患者さんの補綴物に対する意識や手入れも寿命を決定する
大きな要因です。人間が作った物は、必ず何時か,何処かが壊れます。平均的な話しをすると、
今入れた被せは何も手入れしなくても5年程は保ちます。
5年経ってボロボロになってまたやり直す…条件は更に悪くなっていなす。次は3年、
その次は1年。10年後には“歯無し”。話しになりません。いくら手入れしても悪くなるものは
なります。
ただし、5年もつものは、10年,15年。このサイクルですと30年保たすことも
夢ではありません。
世の中、使い捨ての時代ですが歯の新品はありません。
責任の所在がどこにあろうと、歯を失って損をするのは患者んんご自身です。
ご自身の努力(定期検診など)を惜しまず、自分の健康は自分で獲得するよう
お願いいたします。