日付、時間:Sun Apr 4 22:07:43 Japan 1999
アクセスポイント:ngya2147.ppp.infoweb.ne.jp
氏名: 匿名
所在都道府県: 愛知
職 業: その他
年 齢: 35歳
性別: female
質問:
はじめまして。本当にわかりやすく、詳しくてすばらしいホームページですね。
私は外傷性咬合で、年齢のわりにかなり進行した歯槽膿漏といわれて、近所の歯科医で
左下の奧から二番目の歯は使い切って下さいといわれて、いても経ってもいられず
色々な本屋などで調べて、群馬県の丸橋歯科まで行ったのです。
もちろん先生もご存じとは思いますが、そこはなるべく抜かずに直すと言うことで初診に先生は
私の顔を見て、「顔色も良いし、そんなにひどくない、ただ、治療ミスでやられたところがたくさんあり、
病巣もたくさんあります。被せをとって、見てしかはっきりはわからないけど、半分残して、つなぐか
抜いてインプラントかブリッジですね。」といわれました。そこは別に痛くない歯だったけど、
レントゲンで見て、そんなに悪いなら、直すしかない、でも、抜くことはしないだろうと思っていました。
次に行ったら、先生はもう院長先生ではなく他の若い先生で、被せを取ったら、
「抜いてインプラントにする方がいいでしょう」と言うのです。でも、すぐに決心できないし、
抜かないからこそ、長く歯を保つためにはるばる新幹線で来たのに、いきなり、なんの治療もなく
抜くのが不思議で、麻酔をかけた後もどうして使い切っては行けないのですかと聞いたのだけど、
「後ろの歯も歯槽膿漏で悪いから、その歯を守るためです。」というのです。
いらいらしてるのもわかったし、興奮してて私は抜いてしまったのです。その歯を抜かないために
群馬まで行ったのに。
抜いたあと、後悔して、後悔して、ブリッジにしたって他の歯に力が掛かるだけで、
結局インプラントはするつもりがないし、先生は抜いてから考えればいいと行ったけど、
いったい何のつもりで抜いたのかわからないです。他の歯が早くだめになるだけではないかと
思うのです。 先生の本には歯槽骨が再生してるレントゲン写真がいっぱいで、そう言う風にして
下さいといったら、「ここまでなってるのはなおりません」って弟子がいうのです。
でも、私より悪い人の例ばかりでているのです。結局その日は抜いただけで本にでているような
食事療法の説明も何もなしで、1万円もとられて、泣いて帰ってきて、どうしても納得できずに
電話したら、受付の女の人がでてきて、「あなたはいったいどうしたいって言うのですか!!」って
叫ぶくらい怒るのです。信じて信じて疑わなかったのに不信感でいっぱい。でも、抜いた後、どうして
いいかわからないし、抜いていつまでにブリッジをするとかの説明もなく、いったいどうすればいいの
でしょうか。
先生はきっとお仲間なので、ご存じだとおもいますが、私の歯はどうなるのでしょう。 いきなり抜いて、いったい、なんのために行ったのでしょう。これは個人的なものなので、 きっとホームページにはのせれないかもしれないので私のメールアドレスをかいておきます。 もし、お暇があれば、ご返事を頂きたいです。歯はそのままで、もう2週間くらい経ちます。 HZT06023@nifty.ne.jp
メールアドレス: HZT06023@nifty.ne.jp
ホームページURL: http://
丸橋先生とは全く面識がありませんが、先生の著書は拝読させていただいておりますので
ある程度のことは想像できます。世間から見放されたような歯周疾患罹患歯を見事に永年
機能させていらっしゃる数少ない熱心な方だと認識しています。その結果、歯周疾患の治療は
食事療法であると結論に達したところが私と異なる部分です。歯槽骨再生に関して、著書に
紹介されている症例は、根尖病巣による骨破壊が再生しているのであって、歯周疾患による
破壊部分は現状維持ではないかと思っております。
私自身、1本の歯も抜くことなく全てを再生させることを目標としていますが、当然例外や
限界もあります。
歯槽骨吸収が根尖部に達する歯や歯根
根管治療が不可能、または結果の思わしくない場合
歯根の破折
カリエスの進行が極端に著しいもの
周囲の状態を加味して治療することが適切でないと思われるもの
表現は世間一般に言われていることと似ていますが、程度が随分異なっています。おそらく、
丸橋先生も同じだと思います。
今回の一件、結果としては周囲の歯を最大限歯周疾患進行を抑制する努力をする一方で、
該当する歯を使いきるのが最善であったかもしれません。しかし、これは結果論であって
最初から該当歯に見きりをつけた場合の方針です。該当歯を何とか助ける方向で被せをはずした
結果、上記の治療限界を感じるような状態に直面したのではないでしょうか?放置しておけば数年、
或いは数ヵ月機能する歯でも、一旦治療を進めると後戻りできないケースは臨床上稀なことでは
ありません。当初ヘミセクションも想定されていたようですが、
おそらくそれも不可能な状況であったものと思われます。
抜歯の可能性を含めて一応の説明はなされているようですが、歯牙保存を強く希望されるあなた
の気持ちとの間に理解のギャップが生じたように思います。非常に残念なことですね。抜歯せざるを
得ない“やむをえない事情”をもっと分かりやすい説明をすれば良かったと・・・・。あとは、感情の
すれ違いによるトラブルです。
抜いた歯に関しては、あの熱心な先生ですら治療不可能であったと諦めてください。それよりも、
他にも根管治療を必要とする歯もあるようですし、歯周疾患の進行を抑制する手立ても必要です。
該当部分の今後につきましては、Bridgeにするのであれば抜歯窩の一次治癒の見込まれる1ヵ月
後から、インプラントをするのであれば半年後から始めます。それまでの間、他の部位の治療を
積極的に行う必要がありそうです。