間違っても、歯根端切除だけは行なわないようにしてくださいね。
根の治療をやり直し

日付、時間:2003年5月27日 22:37 氏名: まほ   
所在都道府県:  東京  職 業:  会社員  年 齢: 41歳      性別: female 

根の治療をやり直し 質問:
 2年ほど前、上顎の右側1番と2番のどちらかはっきりしない痛みがあり歯医者に行きました。 以前、根の治療をしてさし歯にしていた「右側上顎中切歯」が怪しいといわれ、当時のレント ゲンでは根のトラブルは認められませんでしたが、根の治療をやり直しました。結果膿は出 なかったものの痛みがすっきり取れなかったため、10ヶ月間薬を入れ替えていましたが、根充 をしてしまいました。
 根充をした夜から、右側の鼻から後鼻漏が始まり、すっきりしなかったため仮歯のままで1 年たった今もそれが続いています。鈍い痛みも取れません。

 その後、歯医者を変えてレントゲンで見てもらったところ、少し過根充かもしれない。とい われました。薬はしっかり入っているし、レントゲンでは、膿など異常はは認められないとい うことで、どうしても痛みがあるのだったら、歯根端切除か、再植術か、抜歯のいづれかだと いわれました。再度根の治療のやり直しはできないかと聞いたところ、薬がきっちり入ってい るのでそれはしないといわれました。
そういうものなのでしょうか。?
また、後鼻漏はこの治療と関係があるのでしょうか。
根の治療中に「ファイル」が根の先まで出たりして根の外の神経を傷つけたというような可能 性はありますか。ずいぶん長い器具を何度も差し込んでいたので気がかりです。

感想:
 インターネットでこのような質問をさせていただける場があると知り、ありがたいと感じて おります。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。

回答  根の外の神経を傷つけたというような可能性は仮にあったとしても、現在もそこに存在して 刺激を与え続けていない限り考える必要はありません。それよりも一番考えられるのは根管治療 および根管充填の不備です。何といっても日本の根管治療の成功率は50%程度ですから疑うべき はまずそこです。後鼻漏も多分そのせいでしょう。
 おそらくレントゲン的には問題なく治療されているのだと思いますが、間違いなくそこに何ら かの原因が隠されているはずです。成功率50%。その中にはレントゲン的にもっと不十分な治療 であっても、生体の強い抵抗力によって何らの症状を現さない場合もあります。そんな治療をし ている歯科医からみれば、一見十分な根管治療が炎症を起こすことは理解できないので魔物でも 存在しているとしか考えられないでしょう。その結果、歯根端切除か、再植術か、抜歯という お呪い的な方法しか思いつかないのだと思います。まぁ日本の(世界も?)歯科医療のレベルは そんなもんです。このコーナーに寄せられる質問の約半分がこの手の質問ですから。

 過剰根充もまず関係ないでしょう。的確な根管治療だけが唯一治癒に導く手立てです。道は 険しいけれど、根管治療をやりなおしてみようという腕に自信のある歯科医を探しまわるしか 方法はありません。間違っても、歯根端切除だけは行なわないように してくださいね。


返信:2003年5月28日 20:51
 昨日(5月27日)質問させていただきましたが、早速ご回答をいただきました。お忙しいとこ ろ、本当にありがとうございます。もう1点、質問させていただきたいのですが、
根の治療に使う根充材料は、決められたものがあるのでしょうか。
それとも何種類もあるのでしょうか。
 根充の治療を受けた歯医者さんと違う歯医者さんにいってみていただいたところ、「見たこと のないものが使われている。なあ」といっていたのを思い出しました。私は、アレルギー体質な ので一般的でないものが根の中に入れられていて、それも少し過剰根充かもしれなくて、後鼻漏 の症状があるのでは?とふと思ったものですから。たびたびで申し訳ございませんがよろしくお 願いいたします。

回答:
 根充材料は何種類もありますよ。種類によってはアレルギーがあるかもしれませんが、そんな 稀な可能性を考えなくてももっと可能性の高い方から疑って対処すべきです。過剰根充云々にし ても結局は根管治療のやり直しが必要です。


返信:2003年6月10日 20:42
 以前質問させていただきましたが、早速の回答ありがとうございました。5月27日と29日に質 問させていただきました。また何点か質問させていただきたいのでお願いします。
  1. 根の治療の際に、なかなか痛みが取れなかったため、3日おきくらいに歯科医院で薬を入れ 替えるということを2ヶ月位していました。いつも薬を入れた夜は刺激のためか?とても痛み ました。過剰に薬を入れ替えたために神経に障って痛みがいまだに(根充から1年以上たって いる)取れないということも考えられるのでしょうか。
  2. やはり、根の治療のやり直しとなると、一度根の治療をやり直してある歯なので、レントゲ ンで見ても歯の部分がかなり薄くなっている感じですが、再度やり直しはできるのでしょうか。
  3. それと、最近、上の右の5、上左1・2・7、下右2の歯などところどころの歯が食事の後 舌で強く触ると前後に少し動くことに気づきました。一日のうちでも同じ歯を触っても動かない ときの方がおおいのですが、なぜか食後は動くことが多いです。歯茎もやせてきているので、歯 周病などでしょうか?歯周病のために1番がいつまでも痛いということはあるのでしょうか。
  4. 歯肉縁下の歯石は、歯科医院でレントゲンで確認できるのでしょうか。 歯石除去は、仮歯の前歯でもできるのしょうか。あまりかまわないほうがいいのでしょうか。
                         たびたびすみません。よろしくお願いします。
回答:
 日本中何処にでもある話ですが、毎度消毒と称してとんでもなく刺激の強い薬を詰め替えて、 それでも生き残る体力のある歯だけが根管充填を行ってもらえるという図式です。一種の拷問 ですなぁ。本当に機械的な清掃が完璧だと思えば、さっさと詰めてやれば治るものを…と私は 思います。
 どのような状況かにもよりますが、再度の治療は可能です。また歯槽膿漏も少なからず関与 しているかも知れませんが、あくまでも直接の原因は根尖病巣でしょう。骨破壊が一層進んで 歯の動揺が始まったものと思われます。