日付、時間:Sat Aug 7 10:23:39 Japan 1999
氏名: A.N.
所在都道府県:千葉
職 業:主婦
年 齢:58歳
性別: female
質問:
35歳の娘のことでお尋ねします。
4月始めに右下奥の水平埋伏歯、4月末に左下奥の水平埋伏歯をいずれも大学病院で抜歯して
いただきました(親知らずの根が神経に非常に近接していたため)。
その際、左下奥の親知らずの手前の歯(やや斜め外向きに生えている)にも歯肉がかぶさっている
ということで、その歯肉も切り取っていただいたとのことです。
その後、抜歯の傷は順調に回復して腫れも痛みも無くなり、気になることといえば左下の顎の骨の
少し上あたり(抜歯していただいた付近)を触ると骨のように硬い部分(しこり?)があるということ
くらいだったそうです。
ところが、5月末になって急に左下奥あたりを中心にかなり腫れ上がり、痛みが出てきたため、
驚いて前述の病院へ伺うと、以下のように説明して下さったそうです。
現状:切り取った歯肉が再生(?)して、再び親知らずの手前の歯に歯肉がかぶさっており、
その歯肉と歯の隙間が細菌の温床となっている。
応急処置:排膿、洗浄して抗生物質を注入した。抗生物質と鎮痛剤を処方する。
今後の治療:顎の骨の位置と親知らずの手前の歯の位置(高さ)が近いため、また歯肉を切って
もまたかぶってくるので、考えられる治療法は次の2つ。
・親知らずの手前の歯も抜く。
・顎の骨を削ってその位置を低くして、歯肉が再生しても歯の上までは届かないようにする。
その際の応急処置でひとまず腫れと痛みは治まりましたが、今後の治療についてまだ思い悩んで
いるようです。
担当の先生は、上述の2つのうち顎の骨を削る方がいいのではとおっしゃって下さっているそうで
すが、本人は怖くて不安で決心がつかないようです。きちんと機能している歯を抜くのはもったい
ないですが、そうかと言って顎の骨を削るというのも本当に大丈夫なのかと心配しております。
親知らず自身も顎の骨の中に半分近く埋っていたため、その抜歯の際にすでに顎の骨を削ったと
いうことなので、これ以上削ってしまって顎の骨が弱くなったり咀嚼が困難になったりするようなこと
はないのでしょうか。
本当に骨を削るような手術が必要なのかどうかも含めて、最適な治療法等についてアドバイスを
いただけますと幸いです。
ご意見・ご感想:
いつも拝見させていただいております。歯の大切さについて考えさせられます。
「7番の歯肉が被って汚れが蓄積しやすい状態」ということですね。
他に考えられる原因としては、8番抜歯窩のドライソケット(血液の盛りが
悪く抜歯窩の骨が露出した状態になった為に骨が炎症を起こした状態)です。
それと、親知らずの炎症波及に伴う7番の歯髄壊死。
7番に対しては骨削合+歯肉切除、8番には骨の再掻爬(ドライソケットでなければ必要なし)が
妥当な選択だと思います。状況に応じて7番の抜髄→抜歯は何としても阻止すべきですね。
骨を削ることに対して随分ご心配のようですが、おそらく全く心配は無用です。本来、歯牙萠出に
伴って吸収されるべき骨が、萠出力の弱さ故に残っているだけですので弱くなることも咀嚼が
困難になることも考えられません。