この症例はかなり重症な例です。 |
質問:
歯の表面が減ってきていますがどういうことでしょうか。寿命が短いのですか。
セメント質(歯茎との境目)が磨り減るのは楔状欠損ですが、
年齢的に考えてエナメル質の磨り減りのことでしょうね。通常、エナメル質は非常に硬く少々
乱暴な歯磨きをしても磨り減ることはありません。ところが、"エナメル質形成不全症"などの
場合は、本当にエナメル質が磨り減って象牙質が露出していまうケースもあります。その多くが
歯の一部に限定されています。
初期の段階では"レジン"等を詰めて審美性の回復を計ると伴に、新たな磨り減りを防ぎます。
極端な場合には、補綴物による回復を余儀なくされるケースもありますが、その都度適切な処置
を行えば寿命を限りなく延ばすことが可能です。
私の経験では、"エナメル質形成不全"であるが故に抜歯に至ったケースを知りません。
健全な歯同様、歯周疾患による喪失に最大の注意を払えば決して悲観的な状況を招くことは
ありません。