メインテナンスを行わなかったことにより予後不良の症例を集めました。

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Topic No.60
'98.5.10
10年放置!! これも貴重な症例と思いUPします。
初診時パノラマ写真 11年後パノラマ写真
53歳 女性 全体に2〜3mmの骨吸収進行が認められる

主訴は下顎5│57歯髄炎による疼痛。

口腔内およびX線所見:
 恐がり屋さんで主訴以外の治療は極力避けたいのがありありと診てとられる患者さんで 口腔内の清掃状態も不良で、スケーリングにも非協力的。 口腔内の随所にカリエスが認められるが、歯周疾患の進行状況は同年代の人に比べやや良好。

処置および経過:
 一応の初期治療と並行して、主訴である歯の抜髄と若干のカリエス治療をしたのち治療中断。

10年以上のブランクを経て来院された口腔内とレントゲンを見て、変に納得してしまう状況であった。 歯肉は全体に腫れ上がり(歯肉増殖状態)、カリエスの無惨な進行状況が印象的であった。 また、10年間で約2mmの骨吸収進行( 参考文献 ナチュラルヒストリー:0.2mm/y)を認めたが、 口腔内の無惨な所見に反して歯周疾患の進行は比較的緩慢であった。
 主訴の上顎前歯部に治療と並行して歯周疾患初期治療を行うが、少々のスケーリングでは 増殖性の歯肉炎は治まらない。
@ │6抜歯
A 歯肉縁下のカリエス処理と根管治療
B クラウンを除去
以上を優先して行い更なるスケーリング(SRP)を施行して初めて歯肉状態の改善傾向がみられた。

考察:
 歯肉状態が改善してからはブラッシングも徐々に改善して通常の治療ができる状態となった。 本症例の様な場合は、ブラッシング指導に先行して異物の除去やプラーク停滞要素を排除する 必要があるものと思われる。

感想:
 メインテナンスの重要性を知る上で、治療が為されないまま経過した場合の状況を把握すること が重要です。歯周疾患の進行傾向の強い人では平均0.25ッm/y(ナチュラルヒストリー) と言われていますが、いわゆる“上行性歯髄炎”を伴った症例では、5.00mm/yも あり得ることを考慮すれば、患者さんの免疫抵抗力が如何に強かったかが伺われる。


Topic No.61
'98.5.17
10年放置!! これも貴重な症例と思いUPします。

初診時パノラマ写真 10年後パノラマ写真
30歳 男性 全体に1〜2mmの骨吸収進行が認められる

主訴は7│67歯髄炎による疼痛。

口腔内およびX線所見:
 恐がり屋さんで主訴以外の治療は極力避けたいのがありありと診てとられる患者さんで 口腔内の清掃状態も不良で、スケーリングにも非協力的。 口腔内の随所にカリエスが認められるが、歯周疾患の進行状況は30歳としては平均的。

処置および経過:
 一応の初期治療と並行して、主訴である歯の抜髄と補綴処置を行ったのち治療中断。

10年間のブランクを経て来院された口腔内とレントゲンを見て、情けない思いにかられた。 無惨に進行したカリエスと機能を喪失した大臼歯はもう取り返しのつかない状況である。 また、10年間で約1.5mmの骨吸収進行( 参考文献 ナチュラルヒストリー:0.15mm/y)を認めた。
 幸いにも智歯(親知らず)が使える状態なのでブリッジによる回復が見込まれる。

考察:
 残根状態になるまで歯を放置するような人は、一般に恐がり屋さんか不精者である。 現在も中断しながらの治療ではあるが、せめて最後まで治療することを願うばかりである。

感想:
 ムシ歯になりやすい人は、歯槽膿漏にならない・・・なんて俗説があります。 この人もひょっとして…と思ってしまいます。しかし、このままでは8020 (80歳で残存歯20本以上)は無理でしょうね。


Topic No.62
'98.5.24
12年放置!! 何とも無惨な!!

初診時パノラマ写真 12年後パノラマ写真
53歳 女性 歯槽骨の吸収以前に残存歯数の減少に落胆

主訴は、臼歯部の補綴希望。。

口腔内およびX線所見:
 清掃状態および歯周疾患進行状況ともに年相応で、残存歯数26本も平均的な患者さんであった。

処置および経過:
右下 F6DC根管治療およびブリッジ
右上 76根管治療および連結冠
左上 D6F根管治療およびブリッジ
 一応の初期治療と、主訴である歯の補綴処置を行ったのち治療中断。

12年間のブランクを経て来院された患者さんの、無惨に変わり果てた口腔内とレントゲン を見て、「誰がこんなにしたの?」と落胆した。
無惨に抜かれた歯と狂った顎位では物が咬めないのは当たり前。 右側の挙上(約2mm)と下顎残存歯をブリッジによる回復を行ったのち、欠損部を義歯により補綴。

考察:
 「残存骨量1/2以下は抜歯の適応症」が教科書に書かれている以上、やむをえない 状況かもしれないが、処置と手入れ次第でほとんどの歯を保存することが可能である 症例ではないかと思われる。

感想:
 「一般的な話しとして…50歳くらい迄は、ほとんどの歯が残っていますが、60歳になる頃 にはほとんどの歯が無くなってしまう」といつも患者さんに説明していますが、まさにそれを 実証するような症例です。


Topic No.79
'98.9.20
10年間放置?!!

初診時 パノラマ 10年後 パノラマ
軽度〜中程度の骨欠損が認められる
39歳 女性
中程度〜重度の骨欠損に進行

主訴は、右下3番のカリエス。

初診時口腔内およびX線所見:
 清掃状態は比較的良好で、上顎左右臼歯部と2│2に歯槽骨の吸収傾向を認める (年相応)。カリエスも少なく、全体評価は“良”。

処置および経過:
 全顎の簡単なスケーリングを行い、主訴の歯を抜髄→補綴処置を行ったのち治療は中断。 その後来院が途絶えていたが、10年後上顎前歯部の動揺を主訴に再び来院。  下顎の歯槽骨吸収は比較的軽度であったが、上顎において1〜7mm(平均約3mm)の 骨吸収進行が認められた。

考察:
 本症例は、口腔清掃状態が比較的良好で、歯周疾患進行傾向も比較的穏やかな症例であったと 思われる。しかるに、10年間の歳月は無情にも歯槽骨の破壊を見せつける結果となった。 21│12では急激な歯槽骨破壊と伴に歯間離開も認められることから、歯周外科 手術を検討しているが、他の部位に関してはメインテナンスによる現状維持を計る予定である。

感想:
 過去のレントゲンとの比較は、患者さんの歯周疾患に対する理解を得るのに十分な説得力を 有することを実感した症例です。


Topic No92
'98.12.20
やはり定期検診が必要!!

初診時 パノラマ 9年後 パノラマ
右下4番に二次カリエスと根尖病巣が認められる
65歳 女性
根尖病巣は治癒しているが再び二次カリエス発生

主訴は、残存する歯の補綴希望。

初診時口腔内およびX線所見:
 清掃状態は不良で、残存する歯牙はほとんどすべて中程度以上の歯槽骨吸収を認める。

処置および経過:
 年齢的・体力的条件から歯周外科処置は行わないことを条件に、徹底した初期治療を行った のち通法に従って、根管治療および補綴処置を行いメインテナンスに移行。 1ヵ月毎のメインテナンスを約束したものの、来院は途絶え、2〜3年毎に義歯等の不調を主訴に 来院するがメインテナンスに応じる気配は全くなかった。 今回、5番4番の脱離を主訴に来院されたが、5番は脱離による二次カリエスのため歯根は完全に 崩壊。4番は負担過重によると思われる歯根破折により抜歯を余儀なくされた。 ちなみに、2年前の来院時には、4番の二次カリエスは確認されていない。

考察:
 5番・4番が連結冠であったため、5番が脱離したのちも冠がはずれることはなく、数ヵ月が経過し、 ついには冠を支える能力を全く喪失して、4番に過剰な負担を科したことにより最終的に4番の 歯根破折を招いたものと思われる。  もし仮に、定期検診に来院されていたら、5番の喪失も防ぐことができたであろうし、5番は無理でも 4番の歯根破折は免れることが可能であったと大変悔やまれる症例である。
2〜3年毎でも歯周疾患の進行は、案外抑制できているように思われる。

感想:
 メインテナンスの重要性は、歯周疾患の進行を抑制するだけではない!!


Topic No94
'99.1.3
5年後→今度は歯周外科処置が必要!!

初診時 パノラマ 5年後 パノラマ
年相応の歯槽骨破壊を認める
52歳 女性
やはり有髄歯部分の進行が著明

主訴は、残存歯部分の歯冠修復処置の希望。

初診時口腔内およびX線所見:
 清掃状態はやや不良で、全体に年齢相応と思われる歯槽骨の吸収を認める。 また、下顎の臼歯部喪失に伴う咬合の低位と、対合歯の挺出が著明。

処置および経過:
 歯周初期治療と平行して根管治療を行ったのち、咬合挙上床による咬合の挙上(約1mm)を行った。 全身の不定愁訴の改善を確認して、Bridgeによる咬合の回復を計りメインテナンスに移行した。 メインテナンスは約1年間継続していたが、家庭の事情から診療から遠ざかり約3年を経過したのち、 2|の知覚過敏を主訴に再び来院。

考察:
 もともと歯周疾患進行傾向の強かった721|127の歯槽骨の吸収が著明である (動揺度はいずれも 2)。 該当歯が有髄であったことが影響したかどうかは定かではないが、知覚過敏と進行傾向を 食い止める意味も含めて抜髄のうえ、歯周外科処置(Fop)を行い連結固定する予定である。

感想:
 進行傾向が強いにも関わらず、治療とメインテナンスにかける根性が不足したかな?
今年も、これに負けずに1年間頑張ろう!! 


Topic No103
'99.3.7
見事に抜歯!!

初診時 パノラマ 56歳女性 9年後 パノラマ 65歳
  18年後 パノラマ 74歳

他院にて治療

「先生ところに来にくうれね。他の歯医者に行ったら全部抜かれてしもた。」

初診時口腔内およびX線所見:
 清掃状態は不良でカリエスも多いが、年齢の割に歯槽骨の吸収はやや軽度。

処置および経過:
 主訴の治療が終われば来院が途絶え、1〜2年後に来院して主訴とする歯の治療をする といった具合に9年間を経過した。治療は常に、後手後手に廻って次第に歯を失う展開 であった。  その後一旦転居とのことで8年間来院が途絶えていた。その間転居先の医院で歯科治療 を受けていたとのことであるが、その際に上顎の残存歯を全て抜歯して総義歯となった。 下顎前歯部の動揺が気がかりではあったが、治療に行くと抜かれるということで数年間 我慢したとのことであった。

考察:
 ブラッシング指導やメインテナンスの重要性を理解していただく前に治療を中断する 悪いパターンの繰り返しでした。下顎の治療が終了した時(今から8年前)、やっと メインテナンスに応じる体制ができた直後の転居だっただけに勿体無い思いです。 同時期の患者さんでメインテナンスに応じた方と比較すると雲泥の違いです。 メインテナンスの重要性を再認識する結果となりました。

感想:
 患者さんの歯に対する思い入れが少なく、主訴以外の歯をもっと積極的に治療しておけば このような結果にはならずに済んだ症例です。抜歯された際の状況が不明なので何とも いえませんが、もう少しメインテナンスに心がければ残った歯もあったのでは? と悔いの 残る症例です。


Topic No104
'99.3.14
13年の歳月

初診時 パノラマ 13年後 パノラマ
主訴は右側の疼痛
26歳 男性
右下の智歯の疼痛を主訴に13年ぶりに来院

「親知らずを抜いてください。」

初診時口腔内およびX線所見:
 右側上下の歯が歯髄炎を起こしていたものの、口腔内全体の清掃状態は比較的良好で 年齢が低いこともあって歯槽骨や歯肉の異常は認められなかった。

処置および経過:
 主訴の765|および右下6番の根管処置ならびに補綴処置を行い治療を終了。 その後来院が途絶えたままになっていたが、右下8番(智歯)周囲の痛みを主訴に13年ぶりの 来院であった。診査の結果、智歯を含む10本の歯にカリエス、右下6番の根尖病巣、それと 左右上顎臼歯部の歯槽骨吸収を認めた。  智歯は早々に抜歯し、カリエス治療および根管治療の予定を説明するとともに、歯槽骨 吸収の状態を説明して、今後はメインテナンスが必要であることを強調した。

考察:
 智歯萌出に伴う疼痛はやむをえないことかと思います。しかし、如何に問題がないと思われた 口腔内も13年間放置しておくと、虫歯や歯槽膿漏が進行することを改めて認識した症例です。

感想:
 6番の根尖病巣は、私の医院で抜髄したもので当時の記録によれば術後の軽い違和感を 訴えていました。原因は根管充填時の血液混入だと思われます。根管治療には多少自信を もっているだけにちょっと恥ずかしい気持ちでいっぱいです。


Topic No108
'99.4.11
清掃状態は良好でも15年経つと…

初診時 パノラマ 15年後 パノラマ
26歳 女性 全体に約1mmの歯槽骨吸収を認める

「歯石を取ってください。」

初診時口腔内およびX線所見:
 清掃状態は比較的良好で、歯周疾患に対する理解も十分なように思われた。年齢が26歳 ということもあって、歯槽骨の吸収は認められないが歯肉縁下歯石の沈着部分には歯肉の 腫脹が認められた。

処置および経過:
 初診時は全顎のスケーリングを行っただけで、9年後にカリエス治療を行った際にも全顎の スケーリングをして15年経過して、クラウンの脱離を主訴に再び来院。 量は決して多くはないが、やはり今回も臼歯部を中心に歯肉縁下歯石の沈着に伴い若干の 歯肉炎症症状が認められた。清掃状態は良好ではあったが、レントゲン診査により若干の 歯槽骨吸収を認める。

考察:
 26歳→41歳。平均的な40歳に比べると歯槽骨吸収は軽度ではあるが、如何に清掃状態が 良好であっても15年の歳月の経過に伴い、平均約1mmの歯槽骨吸収は当然ともいえる。 進行傾向が強い場合には、3mm以上の吸収を認める場合がある反面、毎月スケーリング を継続したケースでは吸収が確認できない症例も多い。
 プラークコントロールも重要ではあるが、それだけでは十分な抑制効果が得られないことを 改めて感じると伴にメインテナンスの重要性を再認識した症例である。

感想:
 やっぱり、健康を保つには月1回のスケーリング!!


Topic No109
'99.4.18
16年の歳月は長い→それにしても無惨!!

初診時 パノラマ 16年後 パノラマ
年齢の割にカリエス治療の痕跡が多い
28歳 女性
いくら何でも無惨
43歳

主訴は、補綴希望。

初診時口腔内およびX線所見:
 口腔清掃状態は比較的良好であったが、年齢の割にカリエスおよび歯冠補綴は著明であった。 時代を背景とした不良補綴物(バケツ冠)が多く装着せれており、根管治療の不備も随所に 認められた。

処置および経過:
 21|7および「34の根管治療および歯冠補綴が終了した時点で治療を中断して16年 を経過。途中バセドウ氏病や家庭内の不幸により相当期間を病院で送ったとのことである。 その闘病期間中の歯科治療により多くの歯を失い義歯装着を余儀なくされたとのことであったが、 固定性のBridgeを希望して来院。
 相変わらず、口腔清掃状態は比較的良好で歯周疾患の進行は軽度であり残存する歯は、 4|を除いて骨植は堅固であった。

考察:
 元々カリエスの進行傾向は強いようではあったが、根管治療の不備がなければもっと多くの 歯が残存していたものと思われる。また、闘病中で人生に悲観的だったこともあり、歯牙保存 に対する意欲も薄くいとも簡単に抜歯の宣言を受け入れたことを今になって後悔していると いうことです。それにしても、その治療にあたったドクターの抜歯判断の早さには驚くばかりです。

感想:
 せめて、下顎の臼歯部はBridgeにしてやってよ!!患者さんは決して入れ歯なんか 望んでいないはずです。
上下ともBridgeを予定して治療中。保険規則上は合法的なBridgeですが、診査がうるさい ことを覚悟しなくっちゃ!!


Topic No121
'99.7.11
13年放置→ヤッパリ!

初診時 パノラマ 13年後(再来時) パノラマ
歯槽骨吸収は軽度〜中程度
35歳 男性
50歳を前にして早くも末期状態

主訴は「8の抜歯希望。

初診時口腔内およびX線所見:
 歯槽骨吸収程度は、軽度〜中程度で年齢相応と思われたが、歯石の沈着が著しく、 清掃状態も悪く、歯周疾患進行傾向が強いことが伺われた。

処置および経過:
 簡単なスケーリングと左側下顎智歯の抜歯が終了すると来院が途絶えた。 その2年後、左側上顎の歯肉腫脹を主訴に来院したが、歯周疾患治療の必要性が理解されない まま治療中断。そして13年間のブランクを経て三度来院。

考察:
 見事な歯槽骨破壊だと思います。 てっきり13年の治療ブランクかと思いましたが、その間他の歯科医院で治療を受けていたとの ことですので驚きもひとしおです。そこではほとんど歯石の除去が行われなかったということですが、 それがどう災いしたかは簡単にはいえません。 症例を集めて比較検討する以外に発言の路はないようです。

感想:
 随分前からの初診だけに今更真面目に通われても…おまけに半年くらいは平気で休まれた 分には末期の水も取り難い!


Topic No128
'99.8.29
12年放置:39歳→51歳…ヤッパリ!

初診時 パノラマ 12年後(再来時) パノラマ
歯槽骨吸収は軽度〜中程度
39歳 男性
歳相応に中程度以上の骨欠損を認める

主訴は右下7番の抜歯希望。

初診時口腔内およびX線所見:
 歯槽骨吸収程度は、軽度〜中程度で年齢相応と思われたが、歯石の沈着が著しく、 清掃状態も悪く、歯周疾患進行傾向が強いことが伺われた。

処置および経過:
 簡単なスケーリングと右側7番の抜歯が終了すると来院が途絶えた。
8年後、|4の上行性歯髄炎症と思われる急激な歯槽骨吸収による動揺を主訴に来院。 その際、|4抜歯とそれに伴う補綴処置と同時に歯周疾患初期治療を行い、歯槽骨吸収 進行を十分に説明してメインテナンスの重要性を訴えたが同部の治療終了と伴に再び来院が 途絶えた。
 そして12年後の現在(51歳)再び「D6FBridge脱離を主訴に来院。

考察:
   初診時(39歳)のアタッチメントロスが平均約2mm、12年後が約5mm。その間に2度は歯石の 除去を行ってはいるが、平均 0.25mm/Yのアタッチメントロスがあったものと推測されます。 これは、ベッカーらの疫学調査の結果(早いもので年間 0.24mmの骨喪失)と一致します。

感想:
 もうすでに手遅れな部分もあるけど、現在メインテナンス3ヶ月目。ちゃんと続いてくれれば良い けど…。


Topic No140
'99.11.21
歯医者を嫌っても、損をするのは自分!

初診時 パノラマ 8年後 パノラマ
歯槽骨吸収は中程度(歳相応)
42歳 女性
最後臼歯の骨吸収進行が著しい(歳相応)

「歯医者が嫌いでねぇ」

初診時口腔内およびX線所見:
 口腔清掃状態は比較的良好で、全体に軽度〜中程度、左右上顎臼歯部では多量の 歯石沈着と1/2以上(重度)の歯槽骨吸収を認める。

処置および経過:
 言葉通り歯科治療を極力嫌い、左右下顎臼歯部のBridgeも仮歯装着で中断状態であった。 当院においても、しぶしぶ歯周疾患初期治療とBridgeを装着した時点で治療を放棄している。 8年後、右下臼歯部の動揺を訴えて再び来院した時には、著明な歯槽骨吸収により歯牙喪失 の危機であった。
「歯医者を嫌うのは仕方ないとしても、自分の力だけでは守りきれないので、今後は新しい付き 合い方を考えないといけませんよ。」という話をして術後のメインテナンスを確約した上で、 全顎のPcurから治療再開。
 右側のBridgeは、今からでも抜髄してもうしばらく機能していただく予定。

考察:
 一般的なナチュラルヒストリー通り(40歳→50歳)、順調な歯槽骨吸収を観察した症例です。 前医の治療を受けて、右側は有髄、左側は無髄状態でBridgeを装着して8年経過した時点で、 有髄と無髄で明らかな、歯周疾患進行速度の違いを確認できました。

感想:
 やっぱり有髄歯の進行は早い!!?


真実!
日常の臨床で感動したこと・腹の立ったこと…患者さんに言えないこと…
自慢や非難と誤解しないで 下さい。自らのレベル向上の糧となることを願います。

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