“アマルガム”歯科の業界では,かつて最もポピュラーな言葉でした。
一般には,“銀を詰める”という表現で理解されています。
“アマルガム”とは,粉状の銀,銅と,液状の水銀とを混ぜあわせ歯に詰める治療です。
操作性,硬化後の硬さも理想的で数年前までは初期治療の主流でした。
放置しておくと1年で大きなムシ歯になるところが,5〜10年の延命効果が得られますので,
他に良質の材料がなかった時代には欠かす事の出来ない充填材料だったと思います。
しかし,延命効果があると言うものの,数年経つと必ず二次カリエス
(ムシ歯)になる事が「歯はいくら治療してもダメ」と思われる原因でもありました。
重大な副作用の報告こそありませんが,水銀を口の中に詰める事にも問題があると思います。
一部ですが,“アマルガム”を除去したら湿疹が治ったと言う報告もあります。
私の医院では開業以来ほとんど使用していませんが,今でも歯科医の中に
根強い人気があり、使用している所もあるようです。
類似の治療として、インレーがあります。ムシ歯が隣接面
(隣の歯との間)に及ぶ場合、歯の型を採って(印象)数日後にセメントで装着する方法です。
この手の治療は今でも歯科治療の主流で、色はアマルガム同様銀色ですが、
術後のトラブルも少なく予期性の高い治療として評価されています。