スルメを食べ過ぎても、顎(アゴ)が痛くなりますネ。過度な機械的刺激が顎関節に加わると
軽い炎症を起こします。顎関節痛の原理はこれと同じです。
関節頭の位置や形、力の加わる方向や周囲筋肉の緊張度などに異常がある場合には、
普通の状態でも簡単に炎症を起こします。
歯の異常接触が原因の時は治療も容易ですが、それ以外では原因の除去が不可能に近いほど
複雑です。外科的に関節頭を削るなどの処置もありますが、術後の知覚麻痺などを考えると
余程のこと(例えば口が開かなくて食事の出来ない)がない限りお勧め出来る治療法とは言えません。
長い目で見ると、自然に関節頭が丸くなったり、短くなったりして身体が対応しますので
自然治癒もあり得ます。
消炎鎮痛剤の服用は、根本的な治療ではありませんが、一過性の炎症を抑える効果は十分あります。
服用期間は1週間〜2週間です。それでも全く改善が認められない時は他の方法を考える必要も
あります。
顎関節痛(炎)は、顎関節症の1症状として考えられますが、
初期の段階においては一応
別の疾患と考えた方が良策かと思われます。
関節雑音の原因は、関節構造の形態的変形と位置異常によると考えられます。この場合も、
咬合の再構成を含めた保存的な処置をまず第一に選択すべきだと
思います。