ところが,痛くてどうしようも無いものを放っておく訳にもいきませんし、
放置しても神経が完全に腐ってしまえば一時的に痛みが無くなりますがいずれ根の先が
腐って歯をダメにしてしまいます。
それともう1つ、年をとって歯槽膿漏が進行した段階では、
神経があるとかえって歯槽膿漏の進行を促進します。
私の研究では、余命1年の歯周疾患罹患歯でも神経を取って固定
すれば10年以上保存する事が可能です。確かに30年後には
ダメになるでしょうが、1年後に歯槽膿漏で脱落するよりはましです。
こんな場合には、何のためらいも無く積極的に神経をとる(抜髄する)べきだと思っています。
歯周疾患進行・治癒に及ぼす歯質の影響
'93年4月 明海大学歯学部同窓会兵庫県10周年記念会誌 掲載