根管治療に問題があって抜くような事態だと根底から考え直す必要があります。
差し歯の根管治療

日付、時間:Thu Jan 20 17:31:37 Japan 2000    氏名: YF   
所在都道府県:神奈川   職 業:会社員   年 齢:29歳      性別: male  

質問:
 8年前に8万円くらいで上の2の歯を差し歯にしました。歯茎のところまで削って、 ピンを立て、それにきれいな差し歯を固定しました。が、その歯の根元が化膿してしまっていて、 結局は今週末にその歯を抜くことになりました。
 現在、通院中の先生は抜いた歯の前後の歯を柱に、ブリッジ(?という技術?)で間の義歯を支 える計画です。しかし保険対象外のため約9万円/本、全体で30万円位(3本なので)かかってし まうとのこと。保険内ではどのような治療になるのかを聞いて、なんとなく理解したつもりいでい るのですが、明確なイメージがつかめず、どうしたものか困ってます。
 人間こういう場合、高くてもちゃんとなおした方が、とか、見た目がいい方がいいのではないか と考えますよね? 我々は素人なので、その辺の図解というか、なにがどう違うのか、現在の規 定の保険内の治療ではどこまでできるのか、など、わかりやすい説明はないものでしょうか?
 仮に保険外の治療をしたとして、今度その歯が駄目になったとき、お金をかけた義歯は再利用 できるんでしょうか?

ご意見・ご感想:
客観的に相談できるところがあると、それだけでも気持ちが楽ですね。

メールアドレス: yukiko@mtg.biglobe.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  まず第一に、“抜く予定になっている歯”は本当に治療不可能なのでしょうか。 歯根は破折しているのならともかく、根管治療に問題があって抜くような事態だと根底から考え 直す必要があります。

 できれば数件の歯医者に行って本当に保存不可能かどうかを確かめてみる価値は十分ありそ うに思います。それと、2本のうち1本が抜歯予定ですよね。残る1本に同様の問題が潜んでいま せんか。そのままBridgeの土台にしても数年先には同じ運命をたどる可能性はありませんか。 さらに、新たに削るもう一方の歯に対する備えは万全でしょうか。

 保険適応に関する治療の質については決して満足ができる品質で はないことは重々承知しております。図解はちょっと難しいことですが、一言で言えば“壊れやすく変色・着色し易い”のが保険の歯ですが、装着時にはそん色なく 5年くらいはまともに使えます。根管治療など土台部分に全く問題なく、歯周疾患に対する備えが 万全であれば保険外の歯も値打ちがありますが、実態は今回の抜歯する?歯同様上ものの寿命 以前に土台がダメになることが多いのではないでしょうか。
 それと高い保険料を支払っておきながら、それを使わないのも勿体無い話だと思います。ちなみに 保険外で作った補綴物の再利用はほとんど不可能です。いくら高くっても使用後の値打ちは3000 〜4000円程度です。

返信:
すぐに回答していただき、本当にありがたかったです。というのは、先生の助言のおかげで、抜歯に ついて慎重になり、別の医師の診断を受けようと決心することになったからです。
 その先生には、何とかして残しましょうよ、と言っていただきました。その診療所は、雰囲 気が非常に良く、前向きな言葉が安心感を与えているような感じだったので、もう一度歯根保存治 療を始める決心をしました。
さて、問題の根尖病巣ですが、8年間で大分大きくなっているようです。径が8mm(?)位でしょうか。 ただ位置が普通と違うそうです。私の場合は病巣の中央に、根の尖端があります。先生は、もしか すると歯にクラックが入っているかもしれない、その場合はどうしようもない、とおっしゃっていますが、 今は治療を進める事になりました。
貴重なアドバイス、ありがとうございました。おかげさまで安心して治療が受けられそうです。

回答:
 病巣の大きさは問題ありません。普通、病巣は原因の存在する場所を中心に大きくなるものです。 “病巣の中央に、根の尖端があります”という表現からみると根管治療に問題があるように聞こえま すが、もし“クラックが入っている”ような事態だとあきらめないといけないかも知れません。  それでも、歯根端切除(予後は必ずしもよくない?)を応用する 手立ても考えられます。とはいえ、可及的に歯を残す努力を惜しまないで進めてください。治療の 基本は何と言っても“根管治療”です。

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