歯に付いた汚れに、細菌が作用して粘っこく付着した
歯くそ
のことを歯垢(しこう)またはプラークと言います。その歯垢が口腔内のカルシウム
を取り込んで石灰化し、歯根にこびり着いたのが歯石(しせき)です。
歯垢は、ブラッシングで除去できますが、歯石は取れません。歯垢も歯石も生体にとっては
異物ですので、周囲ではアレルギー反応が起こります。更に、周囲には細菌が存在しますので
炎症も起きます。これが、歯肉炎であったり歯槽骨の破壊を起こす歯槽膿漏です。
この諸悪の根元とも言える歯石を、手用器具や超音波を使って除去する操作を
スケーリングと言います。
当院では、初めて来院された患者さんのスケーリング(除石)を衛生士に義務づけております。
特に最初は痛いと思いますが、おかげで歯の寿命をが2〜3年延ばすことが可能です。痛みの原因は、
歯に汚れ(歯石)のせいで歯及び周囲の歯肉が、炎症を起こしてるからです。
歯槽膿漏の最大の原因とも言えるこの歯石を
放置しておくと歯の喪失時期を早めるばかりでなく、治療の大きな妨げとなります。
1回のスケーリングで、量的には80%程度は除去できたるものと思いますが、
まだまだ取り残しがあるはずです。残りは、治療の進行に応じて取っていきます。
炎症が治まるにつれて痛みは軽減していくはずですが、一時的に歯が滲みるように
なります。しかし通常、炎症の消退に伴って軽減します。
正体不明の歯痛は、多くの場合この歯石が原因で
あるケースが、ほとんどである
事も合わせて認識しておいて下さい。