根本的には、歯周疾患で歯の周囲の骨が破壊されそれに伴い歯肉が退縮し、
歯根部分が露出して解剖学的形態から歯と歯の隙間が大きくなった結果です。
年をとって歯が長く伸びた様に見えるのは、周囲の骨が吸収し(痩せた)
露出部分が大きくなったせいです。伸びたと言っても
木が伸びる様に何時までも根がしっかりしている訳ではありません。
歯槽骨破壊の原因は歯石です。
これ以上の進行を防ぐ為にも歯石の除去は絶対必要です。
しかし、皮肉なことに歯石は歯肉にも炎症を引き起こしています。その結果、歯肉は腫れ
上がり見かけ上の歯肉退縮を免れています。その歯石を除去するわけですから、歯槽骨の
消炎と伴に歯肉の炎症も治まり、腫れも治まってきます。腫れが治まり、歯肉が引き締まって
くると、歯と歯の隙間がますます大きくなったり、歯が伸びたような感じになります。
しかし歯の将来や、口腔のエチケットを守る為に病的な歯肉よりも健康な歯肉を選択して下さい。
それともう1つ、歯周組織の炎症に伴い知覚過敏
も進行しているはずです。原因はやはり歯石ですが、悪の根元でありながら、外から
の刺激に対して防御幕として働いてきました。その歯石を除去する訳ですから、
一時的には知覚過敏が著明となるはずです。
とにかく歯石により炎症を起こしています。いわゆる腫れ物に触る状態ですので
除石(Scaling)の痛みはひとしおだったとお察し申し上げます。
堅くこびり着いた歯石の減少と伴に炎症が治まりScaling時の痛みも軽減するはずです。