一般にムシ歯が原因の場合、この時点で「少ししみだしたので
早めにきました…」はもう手遅れです。ムシ歯で歯がしみるのは、歯の中にあ
る神経が炎症を起こしているからで、ほとんどが歯の神経を取らなくてはなら
ない状態です。
案外多いのが歯周疾患進行に伴うもので、しみる場所と程度
に比例して歯周疾患が進行して行きます。このケースの治療方法としては、薬
剤塗布を行なうのが主流で、知覚過敏防止の歯磨剤も結構効果があります。
それ以外にも咬み合せが悪い場合もあります。
ムシ歯や歯を削ったあと滲みる知覚過敏と区別し、歯周疾患が原因と思われる知覚過敏を
象牙質知覚過敏症と呼びます。歯肉が退縮し象牙質が露出した為に発症することが多いことから
付いた名前だと思います。知覚過敏の中で最も頻度が高く対応が困難な疾患ですが、
根本的には他と同様、歯髄(歯の神経)の炎症です。
私の医院では、歯髄鎮静の為の内服薬投与/YAGレーザー照射/コーティング材塗布を基本に
症状に応じて種々の治療法を併用して対処しています。有効率は90%以上ですが、
症例によっては歯の神経を取る(抜髄)ことが最善と判断する場合もあります。
象牙質知覚過敏症を半年,1年長引かすと取り返しの付かない状態になるケースがあるからです。
参考
ムシ歯が滲みる!
象牙質知覚過敏症の治療
知覚過敏は歯磨きで