歯髄(歯の神経)の知覚神経には痛覚しかないため、熱い物も,冷たい物も,甘い物も,
その他圧迫された刺激も痛み(滲みる)として感じます。
しかし、通常の刺激に対しては周囲の硬組織が保護していますので痛みを感じません。
ところが、歯髄に炎症がある場合は疼痛閾値(痛みを感じない範囲)が上昇しますので、
ちょっとした刺激にも反応してしまいます。炎症の原因については様々で、
統一された学説もありません。
ムシ歯につめ物をした直後。(この段階では、冷たい物がしみます) | 治療後、しばらく時間が経過したところ。(第二象牙質ができたおかげでしみなくなる) |
確かに、詰めたり被せたりすると外部刺激は遮断
できますが、なかなか有効な効果が得られません。それは、知覚過敏本来の原因である
歯髄の炎症に対する有効な手だてが講じられていないからです。
ムシ歯で歯が滲みる…これは通常抜髄(歯の神経を取る)対象だと思われます。
しかし、程度と処置如何では、歯髄炎の回復も可能です。歯にとって抜髄は、様々な障害も考
えられます。これらを考慮し、種々の歯髄鎮静処置を行った上でムシ歯の充填処置を
行うこともありますが、残念なことに結果を伴わないこともあります。