ムシ歯が原因で歯が滲みる場合は、レントゲン等で比較的容易に判断できます。
この場合通常、歯の神経を取らなくてはならないケースがほとんどです。
反対にレントゲン等で判断できない場合、歯周疾患が原因であるケースがほとんどです。
これを象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)とよびます。
象牙質知覚過敏症に対しては種々の治療法が試みられていますが、残念なことに決定的な
治療法がありません。
しかし、治療の
基本はブラッシングやスケーリングによる歯肉炎症の消炎です。
口腔内の清掃状態が保たれている状況では、象牙質の再石灰化が促進され自然治癒の方向に
向かいます。ところが、皮肉なことに清掃状態を保つために使われる歯磨剤に問題があります。
…折角石灰化した象牙質表面を削り取ってしまうからです。
私の医院でお勧めしている歯磨剤(Brosal)は、研磨剤を一切使用していません。
2〜3カ月継続して使用していただくと、知覚過敏に対して非常に有効に作用します。
他の治療法で効果の見られなかった場合でも、時には驚くほどの効果が得られます。
一般に市販されている“知覚過敏予防歯磨き剤”にはそれぞれ異なった薬理効果によって
一定の効果を挙げているようですが、Brosalの最大の特徴は何と言っても研磨剤を含んでいない
ことです。従って継続して使用した場合、歯牙表面に外来色素が沈着し着色しますので定期的
(1カ月毎)な清掃が必要です。このことを正しくご理解の上使用して下さい。
尚、象牙質知覚過敏症の真の原因が歯周疾患である以上、継続した歯周疾患治療なくしては
良好な状態が維持出来ません。歯周疾患の治療と予防に一層のご協力をお願いいたします。