私の場合、このようなケースであえて、抜髄の上歯周外科手術(フラップ・オペ)を行い
補綴物による連結固定を行います。勿論、術後のメインテナンスを伴うことは言うまでも
ありません。とは言っても、毎月歯石の除去(スケーリング)を継続するだけです。
抜髄することは歯質をもろくしたり、根尖病巣を作ることにつながりますので賢明な選択
でないように思いますが、こと歯周疾患の進行傾向の強いケースでは神経の存在が歯周疾患
進行を助長し早期の喪失をもたらします。この事実
(有髄歯・無髄歯)は一般に知られていませんし、残念なことに
コンセンサスも得られていません。「歯周疾患の進行が罹患象牙質の変質である」という
私の仮説に基づけば十分理解が得られるはずです。このホームページの趣旨は、この仮説を
広めることを目的としていますので、興味のある方は隅々まで読破してください。
それはともかくとして、このような重症の歯周疾患であっても手術とメインテナンスに
より16年間機能しているわけですが、できることならもっと早い時期からメインテナンス
に取り組むことが望まれます。